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今日という日を忘れぬために

今日は2年ほどお世話になった塾の最終日。

思えば最初の頃は宿題もろくにやってこない、ひどい生徒だった僕。
正直、行きたくないと思った日も少なくないし、時計を見つめて過ごした日もあった。

そんな時に、
一人の講師に出会った。普通にノリの良い先生だなと思っていた。
そういう人が多かったので、別段不思議にも思わなかった。

しかし、
先生がガンダムネタが通用する相手だとわかった途端、僕は先生のことを覚えた。
下げている名札を確認し、たまにあるアンケートには彼の授業を受けたいと書いた。
すると、校長の配慮か、先生が僕の担当になる場面が増えた。

僕の方からネタを振ることは1度としてなかった。
黙々と出された課題をこなしていると、先生の方からネタ話を始めてくれた。

そうしているうちに、塾が苦痛に思う回数は減っていったような気がする。
塾への道のりも、とても明るいものに見えた。

そして、僕は先生から
「機動戦艦ナデシコ」なるものを教えてもらったのだった。
存在そのものは知っていた。

とはいえ、レンタルビデオ店で見かけても気にも留めない。
僕は先生との会話を広げたいという思いだけでそれを手にとった。

そして僕は1話を見た。
ガンダムシリーズを何度も渡り歩いてきた僕は、
どうせこの主人公も巻き込まれて偶然乗っちゃうんだろうなと感じていた。

物語はそのよう感覚どおりに進んだ、なんだか世界観がまだよくわからないが、
ガンダムありきの作品だ。どうせガンダムは超えられない。そう思った。

しかし
僕の予想を超えた存在がそのアニメには存在していた。
「山田二郎」
自らを「ダイゴウジ・ガイ」と主張するその男は、
「ゲキ・ガンガー」オタクだった。

ゲキ・ガンガーとは「機動戦艦ナデシコ」の世界で放映されたアニメで
その見た目はまさしくスーパーロボット。作品の展開もまさしく70年代風だ。

それに心酔し、自らの機体をゲキ・ガンガーと呼び、熱血漢で周りの話を全く聞かない。

なんだこれは……ガンダムにはこんなキャラは存在しない。
先生にはリアルロボットアニメと聞いていたので、僕は大きな衝撃を受けた。

それだけではない。
発進した主人公メカは敵の大群から逃げる。初操縦なのだからリアルな描写といえる。
しかし、ライフルどころかガンダムのようにバルカンやサーベルを装備していない。

一体どうやって戦うんだ?

そんな疑問を持ちつつ画面を眺めていると……腕が、飛んだ。
メカの肘から先が発射され、敵に命中。見事に撃破した。

?!

なんだこれは……リアルも何もあったもんじゃないな。
そもそも、逆噴射で帰ってくるとかwww数個のちっさいブースターで腕までしっかり
方向制御するとかwww不可能www


と思っていたのか?


とでも言わんばかりにメカの腕からはワイヤーが伸びていた。これなら再装填できる!
敵も宇宙人という設定ながら、妙にリアルに描写されていた。

シリアスだけではない。

HUDの漢字表示や、クルー達の雰囲気、ネタ路線も見事に描写していた。
さらに、最初は嫌悪感を感じていた主人公メカのカラーリング(ピンク)も、
いつの間にやら気にならなくなり、僕はかっこよさを感じていた。

これはただのロボットアニメではない。
ガンダムが頂点だと思っていた僕は何か、大切なことを思い出したような気がした。

おもしろいものは理屈抜きでおもしろいのだ

僕がガノタからロボヲタに進化したのは、
ゲッター線を浴びたわけでも、螺旋力の賜物でもなく、先生のおかげだった。

こんなに面白いロボットアニメが、僕の知らない、見ていないロボットアニメが
この世界にはある。

そう思うと、いてもたってもいられなくなった。
様々なロボアニメ、ゲーム、漫画に手を染めていった。それでもまだ底は見えない。

僕は先生に話をした。ナデシコを見たこと、面白かったこと。

先生は目を輝かせて話をしてくれた。
僕は先生との話のために塾に残ることも多くなった。

そんな時、受験がやってきた。
当時僕には恐怖しかなかった。全く未知の世界だったからだ。
でもやるしかない。先生との会話は相変わらずしていた。

苦しい勉強時間も、幾分か楽しい時間があったからこそ乗り越えられたのだと思う。

そして、僕は落ちた。
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

その頃、先生が担当になる回数は極端に少なくなっていった。

でも、次のチャンスを前にして、先生が担当になることもあった。
多くはなかったが、それでも嬉しかった。

そして僕は合格できた。
先生にも報告し、ほっと一息つくと。

その塾の席に、ひどく長い時間座っていたような気がした。

そんな先生のいた塾も、今日が最後。
最後に先生イチオシの作品を聞いておいた。

先生にはTRPGも勧められていた。ゴッドイーターの話もしていた。

先生にはお礼を言えた。
いろんな未知に足を踏み入れられたのも、自分で楽しいことを見つけられるようになったのも
先生のおかげだと思っていた。先生と会うことがまたあれば、いつものように楽しい話をしたい。

リフレクト

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